16元数・32元数

四元数があって、八元数があるなら、16 元数や32 元数があっても良さそうに思えるが、この安直な期待は正しくない。

複素数を超えて

複素数を実数の組と看破した Hamilton は、実数の 3 つ組 (triplet) に積を適当に定義して、複素数を更に拡張できるかという問題に取り組んだ。10 年 とも言われる長い試行錯誤の末、1843 年の 10 月 16 日に、3 つ組ではなく 4 つ組に は、前節で挙げた実数の満たす 7 つの法則のうち、1 つを除いて全てを満たす積が 定義できる事を発見した。たった 1 つ失われる法則は掛け算の交換法則である。
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Hamilton が四元数を発見してすぐに、Hamilton の大学時代からの友人であった John Thomas Graves は、実数の 8 つ組に対しても、7 つの法則から 2 つを除いた残り を満たす積が定義される事を発見した。これが八元数であり、積の交換法則に加え て積の結合法則が失われる。
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●以下は Copilot に教えてもらった内容 ・・・ 本当か否か要確認
 (16元数、32元数は定義しようと思えばできるけど、数として意味がないものになってしまう・・・ということらしい・・・)

「16元数(セデカドニオン)」や「32元数(トリアコンタオクタニオン)」のような高次元の数体系が存在しないことの証明には、代数的構造と幾何的性質の両方から考える必要があります。

ノルム付き除法代数とは? 16元数や32元数が存在するかどうかは、ノルム付き除法代数(normed division algebra)という概念に関係します。これは、以下の条件を満たす代数です:

制約:ノルム付き除法代数は4次元までしか存在しない! 米国の数学者アドリアン・アルバートや、ラウル・ボット、ジョン・ミルナーらの研究によって、実数体上のノルム付き除法代数は次の4つしか存在しないと証明されています: \[ \begin{array}{c|c|c} 名前 & 次元 & 性質 \\ \hline 実数 \mathbb{R} & 1 & 可換・結合的 \\ \hline 複素数 \mathbb{C} & 2 & 可換・結合的 \\ \hline 四元数 \mathbb{H} & 4 & 非可換・結合的 \\ \hline 八元数 \mathbb{O} & 8 & 非可換・非結合的 \end{array} \]

この結果は、フルステンベルグの定理や、ホップ・ファイブレーションの幾何的性質から導かれ、最終的には位相的手法(代数的位相幾何学)を用いた証明によって裏付けられています。

16次元以降の代数構造は存在するが… 例えば、セデカドニオン(16元数)のような代数構造は定義することは可能ですが、ノルム付きでもなく除法代数でもないため、従来の意味での「数体系」とは言えません。結合性も失われ、ゼロ因子を持つ場合もあります。

つまり、数学的には「ノルム付き除法代数としての16元数・32元数は存在しない」という意味で証明されており、これは代数学と位相幾何学の融合によるかなり奥深い話なんです。